家族信託を設計する場合、一番大切なことは、財産を託す相手(受託者)として信頼できる人がいるかです。自分より世代の若い子供や孫、甥や姪などに適任者がいるかが、重要です。もちろん、自分の財産を任せてもいいというほど信頼できる人がいるなら、家族に限らず受託者になってもらうことは可能です。
このように、信頼できる受託者と言うのがポイントですが、管理する財産額が大きい、管理が難しい場合などは、何らかの牽制機能があった方がいいと考えられます。そのための仕組みとして、信託監督人や受益者代理人という制度が容易されています。信託契約に従って、受託者がしっかり事務を果たすように、受益者にかわって監視・監督してくれるのが信託監督人であり受益者代理人です。この場合、受託者とは別の信頼できる人を探す必要があります。信託監督人や受益者代理人には、家族でも適任者がいれば指名は可能ですが、信託監督人の場合は、専門職にお願いすることがよくあるケースです。この場合、費用はかかりますが、監視・監督だけでなく、受託者の相談相手になってくれるというメリットもあります。受益者代理人は、受益者をよく知るご家族の方が就任することも可能です。