受託者は、株式や投資信託の維持管理を任されたら、保有する株の会社の「四季報」や会社のHPはもとより、経済新聞やその他の経済関係雑誌等により情報収集を行い、当該会社・業界・株価の動向に関心を持っておくことです。いざという場合に株式を売却するためにも必要なことです。
会社は毎年1回決算を行い、株主総会が開催されます。総会では、剰余金の処分(配当)、定款変更、新任役員の選任等が決議されます。株主として、株主総会へ出席し議決権行使を行うことにより、会社への関心(愛着)が湧いてくるものでしょう。また、株主優待を提供している会社については、提供時期、内容、利用方法等を把握しておくべきです。
受託者は、毎年「信託の計算書」、「信託の計算書合計表」(国税庁HP参照)を作成し、翌年1月31日までに、税務署に提出しなければなりません。
信託の計算書等の作成は、証券会社から年末に送られてくる「取引残高報告書」、「上場株式配当等の支払い通知書」から容易に作成することができます。
これらの書類は、受託者の作成義務である信託帳簿として活用できます。
証券会社から送られてくる報告書、通知書等、税務署に提出する信託の計算書等及びその他の信託帳簿については、作成の都度受益者に報告しなければなりません。
信託帳簿の保管期間はその作成の日から10年間と定められています。
受益者は、確定申告が必要とされる場合は(確定申告の一般的な判断基準に従って判断してください)、家族信託から得られた利益を他の所得と合わせて確定申告をする必要があります。
家族信託から得られる利益が配当のみの場合で、証券会社が提供してくれる「上場株式配当等の支払い通知書」で源泉徴収されている場合は、この信託口口座の配当については、申告しないこともできます。ただし、総合課税で確定申告し、配当控除を受けたほうが有利な場合は、確定申告をすることもできます。これは、一概に有利とは言えないケースも出てくるので、「確定申告」として、別途よく検討されることをお勧めします。