1.事例の内容

(1)家族の状況
本人A(79歳)と妻B(75歳)は長女D(52歳)夫婦と二世帯住宅で同居。長男C(49歳)は、結婚して実家から車で10分程度の場所に住まいがある。
本人Aは、足腰が不自由になり日常生活に支障をきたすようになったため、要支援 Iの認定を受け、一部介護サービスを受けている。本人Aは自分の親族に認知症を患っている者がいることや要支援認定を受けたこともあり、自分も体力の低下とともに判断能力も低下してしまうのではないかと心配し始めた。妻Bは、今のところ心身共に問題は出ない。
長女Dは、パートで働いており、時間が許す範囲で本人Aの手助けをしているが、本人Aが要支援認定を受けたことや最近物忘れが増えてきたことを心配している。
長男Cは,地元の企業に勤めており、たまの休日に孫を連れて実家を訪問している。長女Dと同じく本人Aの体力の低下、物忘れの増加を心配している。

(2)本人Aの財産と本人希望
本人Aの財産の大半は、上場株式と投資信託であり、その配当金と本人Aと妻Bの年金が主な収入源となり、本人Aと妻Bの生活費となっている。このため、上場株も投資信託も売却は考えていないが、株価等が暴落したり、本人Aや妻Bが将来、有料老人ホーム等に入居しなければならなくなった場合は、売却して欲しいと考えている。上場株式や投資信託などの有価証券については、長男Cに管理を任せていきたいが、管理について自分に判断力が亡くなってきたら、妻Bや長女Dと相談して進めていってほしいと考えている。

(3)上場株家族信託の提案
事例の主な構成は以下のとおり。

委託者兼受益者: 本人A
受託者    : 長男C
予備的受託者 : 長女D 長男Cが受託者の任を果たせなくなった場合は長女Dが受託者に就任する
受益者代理人候補 :妻B 本人Aが判断力をなくしたら妻Bが受益者代理人に就任する
予備的受益者代理人:長女D 妻Bが受益者代理人の任を果たせなくなった場合は長女Dが受益者代理人
に就任する
信託財産   : 上場株、投資信託等の有価証券及び金銭
証券会社   : X証券株式会社
帰属権利者  : 本人Aの法定相続人に法定相続見合いで信託財産を帰属させる

上場株家族信託事例

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